洋芝に強い血統は?洋芝適正と種牡馬について。

【競馬コラム】洋芝に強い血統、洋芝適正が高い種牡馬は?函館・札幌の芝レースで重要となるのが「洋芝適正」。洋芝が得意な種牡馬、苦手な種牡馬は?洋芝特注はキズナ、ミッキーアイル、キタサンブラック、ジョーカプチーノ!得意なのはドゥラメンテ、オルフェーヴル、ジャスタウェイ、モーリス、Frankel!洋芝苦手種牡馬は?

 

夏競馬もたけなわであるが、

ちょっと今日は

「若奥様と水着」について書こうと思う。

 

 

・・・じゃなかった(むふー)、

 

「洋芝に強い種牡馬」について書きたいと思う。

※2024年6月更新

 

 

知ってるようで知らない洋芝とはなんぞや?

洋芝が得意な血統は?

あの種牡馬の洋芝適正は?

 

野芝と洋芝の違い

ご存知の通り、JRAの競馬場で「洋芝」を採用しているのは「函館競馬場」「札幌競馬場」である。洋芝は「寒さに強い」という特徴があるため、気温の低い北海道で採用されてるんですな。しかし、野芝に比べ水分を含みやすく、芝丈が長くなりやすく、力が必要な馬場となりやすいため「時計が掛かる」という特徴もある。

北海道以外の競馬場で採用されている芝は「野芝」。日本で一般的に自生しているのが野芝で(いわゆる天然芝)、耐久性に優れ、軽く堅い路盤になりやすく「タイムが出やすい」のが特徴。また、寒さに弱く、冬は枯れてしまう(茶色く見える)・・・ので、冬は野芝の上に洋芝をオーバーシードすることが多いようである(主に見た目の問題である)。

芝の状態はJRAの「馬場情報」で確認出来るぞ。

 

 

では、早速、洋芝に強い種牡馬を見てみよう。

 

■洋芝における種牡馬成績(過去3年)

 

勝ち鞍数で見ると1位はキズナ!去年調べた時の1位はロードカナロアだったのだが、分母で大きく劣るキズナが1位になってるじゃないか!しかも勝率が15.9%というのは上位でダントツの数字であり、平均着順<平均人気となっているのにも注目!相当優秀なのが分かるね。

では、これをもってキズナは洋芝が得意!と言っていいのかどうか?絶対能力の高さで1位になってるだけかも?これは当然・・・野芝での成績と比較しないと分からんよね。というわけで、

野芝の成績も見ておこう。

 

■野芝における種牡馬成績(過去1年)

 

野芝(東京・中山・京都・阪神・中京・福島・新潟・小倉)の過去1年間(2023年6月~2024年6月)の種牡馬成績である。調査範囲を1年間にしたのは、1年間でも十分膨大なデータ量になること。それから範囲を広げると比較的新しい種牡馬のデータが埋もれてしまうこと・・・を考慮した。

 

野芝のデータと比較しながら・・・

洋芝が得意な種牡馬を見つけて行こう。

 

■洋芝が得意な種牡馬2024

キズナ
今回、是非覚えておきたいのがこの種牡馬。調べてみればキズナは野芝でも1位!昨年調べた時は7位だったんでね。この1年で勝ちまくって成績を伸ばしたわけだが、現在種牡馬リーディングも1位なんでね。さもありなんという感じなわけだが、じゃあ洋芝と比べてどうなのか?野芝の勝率・連対率・複勝率は12.7・23.7・31.7%だが、洋芝は15.9・20.5・30.8%。連対率・複勝率はやや落ちるが、勝率は3%近く上昇!15.9%の勝率は上位で突出した数字。そして回収率ベースで見ると183%と超優秀!これは「キズナは洋芝得意じゃん!」と世間に認識されてないからと言える。とにかく頭で来るんでね。洋芝ではまずキズナの単勝・頭固定を狙え!

ハービンジャー
洋芝の勝鞍ランキングではキズナに次ぐ2位。野芝の勝率・連対率・複勝率が7.4・15.3・24.0%なのに対し、洋芝では9.1・17.2・25.6%と上昇。自身が欧州での活躍馬であり、洋芝では積極的に狙いたい種牡馬である。ただ・・・とんでもなく洋芝が得意!ってわけではなく、若干得意な程度だ。

ドゥラメンテ
洋芝の勝ち鞍ランキングでは4位。野芝の勝率・連対率・複勝率が9.1・19.5・27.4%なのに対し、洋芝では13.4・20.8・30.2%と上昇!特に勝率の13.4%は上位ではキズナに次ぐ優秀さ!複勝率も30%を超えており、洋芝で積極的に狙っていい種牡馬の一頭と言えるだろう!ただし、現2歳世代がラストクロップであり、このデータが使えるのもあと数年。

モーリス
昨年調べた時より若干パフォーマンスを落としてるのがモーリス。それでも野芝8.7・15.9・24.6%に対し、洋芝10.2・19.2・27.3%。いずれも結構な上昇幅。回収率も高く・・・洋芝ではかなり狙い目の種牡馬だ。

オルフェーヴル
あまり知られていないが、実はオルフェーヴルも洋芝はかなり得意。まあ凱旋門賞で2年連続2着なんだから当たり前か。野芝だと5.2・10.7・16.6%だが、洋芝は13.0・22.5・30.4%・・・と、ハンパない勃起率。まあこれは野芝がここ1年のデータなのもある(オルフェーヴルは一時的に産駒数が激減、肌質も低下している)が、洋芝の成績はもう一流種牡馬並みだ。数字的にはキズナ・ドゥラメンテと遜色ないんでね。回収率も高いし積極的に狙っていい。ちなみに、ほぼ同じ血統構成のゴールドシップは洋芝イマイチなんだよね。これは覚えておいた方がいいかも。

ジャスタウェイ
これはほとんど知られていないと思う。ジャスタウェイはかなり洋芝が得意なのだ。野芝だと8.6・17.7・27.5%だが、洋芝だと12.5・22.7・32.0%!これもオルフェーヴルと同じく上位種牡馬と遜色なし!洋芝で狙い目の種牡馬だ!

ミッキーアイル
昨年調べた時のランクは24位だったのだが、今回14位にジャンプアップ。そしてその数字が凄まじい!野芝だと5.5・15.0・24.1%だが、洋芝だと13.6・28.4・39.5%!複勝率はフランケルに次ぐ高さ!勃起率ヤバい!まだ分母が少ないので再現性は怪しいかもだが洋芝特注の種牡馬と言ってしまおう。洋芝でミッキーアイルを見つけたら積極的に狙うべし!ちなみにこの馬ダートの道悪も狙い目だ!

キタサンブラック
もう最近はどのデータでも出現する種牡馬で野芝も優秀なのだが洋芝も得意なんだよね。野芝だと12.1・19.3・27.8%だが、洋芝だと10.8・28.4・35.1%。頭では来ないけどとにかく2着に来る感じで連対率は特注ミッキーアイルと互角の数字。回収率も非常に高く、洋芝でも積極的に狙いたい種牡馬だ。

Frankel(フランケル)
マル外の中では分母も大きいということもあるんだろうけどね。洋芝で相当優秀な種牡馬である。野芝だと11.7・27.3・28.6%だが、洋芝だと13.5・34.6・46.2%。連対率・複勝率は上位でダントツトップ!ただ、世間のイメージ通りなのか、人気になりやすいので買いにくい部分はある。

ジョーカプチーノ
洋芝激アツなのがこの種牡馬!野芝だと全然走らない馬でランキングは75位。その成績は【3.2.3.49】。各数字は5.3・8.8・14.0%である。これが洋芝になると・・・21位に上昇!12.5・23.2・32.1%!一流種牡馬並みの数字に変貌するのだ!分母は少ないので再現性は高くないが・・・ジョーカプチーノは洋芝の鬼!と言っても過言ではない種牡馬!これは多分世間的にも全く知られてないんでね。積極的に狙っていいぞ!

 

上位で「洋芝が得意」と言えるのはこの10頭。

 

下位で気になるのは、スワーヴリチャード、ディーマジェスティ、デクラレーションオブウォー、ファインニードル。マル外ではDarkAngel。まあちょっとこの辺は分母が少なすぎて怪しいところはあるが、スワーヴリチャードはんぱねえ。洋芝鬼の可能性あるな。

 

あと、逆に洋芝でパフォーマンスが落ちると思われるのは、ロードカナロア、エピファネイア、ハーツクライ、ディープインパクト、ダイワメジャー、ゴールドシップ、ルーラーシップなど(他にもいると思うので探してみてね)。ロードカナロア、エピファネイア、ディープインパクトは洋芝の成績が悪いわけじゃないけど野芝の方が成績いい感じ。ああ、エピファネイアはこの1年でグンと数字が良くなってるね。

 

最後にひとつ注意点を。

以上はあくまで「種牡馬」として見た時の全体的な話であり、

「個体」の話ではない。

洋芝特注のミッキーアイル産駒でも苦手な馬はいるだろうし、

逆に苦手なゴールドシップ産駒でも得意な馬はいるだろう。

 

なので、

「狙いたい馬がいるけど洋芝適正がわからない・・・」

「函館1200の新馬戦で調教抜群のジョーカプチーノ産駒が超大穴だけど狙ってみようかな?」

なんて時に参考にするといいと思う。

 

しかし・・・

 

最近の若奥様はほとんどが完全防備。

 

 

水に濡れても大丈夫な服を開発したヤツを恨みたいところだが、

 

寒さに強い野芝・・・

なんてのも開発されないことを祈る。

 

函館と札幌はずっと洋芝でお願いしまっす!

 

参考まで。