有馬記念2019レース回顧!アーモンドアイの敗因は?

【有馬記念2019レース回顧】中山芝2500mで行われたグランプリGⅠ有馬記念!勝ったのはココがラストランのリスグラシュー!断然の人気を集めたアーモンドアイは直線伸びずに9着惨敗!この馬の敗因は何だったのか?2着にはサートゥルナーリア、3着にはワールドプレミアの3歳勢が入ったが、来年の勢力図はどうなる?

 

リスグラシュー、

ラストランで最高のレース!

 

 

いやあ、

リスグラシュー強かったねえ。

1頭だけ全く違う脚色だったもんなー。

今がキャリアのピーク、

体調的にも絶好調、

最高の騎乗で脚も溜まってたんだろうけど・・・

それにしても強い内容だった。

(レーンうまー)

 

逆に・・・断然の支持を集めたアーモンドアイ

直線伸びることなく惨敗っ・・・!

ネットや掲示板は阿鼻叫喚のサマを呈しているが・・・

さて敗因は何だったのか?

 

簡単に回顧しよう。

 

■有馬記念2019結果

2番人気→3番人気→4番人気の組み合わせでこの配当か・・・かなり付いたなあ。それだけアーモンドアイ絡みの馬券が売れていたってことだろうけどねー。しかし、私の予想は・・・かろうじてリスグラシューには△を打っていたが、2~7着には無印(笑)。ま、しかし想定した展開にはならんかったからね。全く問題ナッシング。

 

■有馬記念2019映像

 

■有馬記念2019レース回顧

スタート!8番のレイデオロ、外のキセキが出遅れ。7番のワールドプレミアは最初から後ろで脚を溜める作戦だったみたいだねー。

 

好ダッシュは外のアエロリット、クロコスミア。内からスティッフェリオ。キセキが出遅れたのは想定外だったねー。続いてアルアイン、ヴェロックスあたりも前。アーモンドアイ、リスグラシューは控え・・・サートゥルナーリアはアーモンドアイの後ろ。

私はスワーヴリチャードの単勝勝負だったからこの馬をずっと見てたんだが・・・スタート後の行きっぷりが悪く・・・それでも押してポジションを取りに行ったんだが、内のスカーレットカラーが応戦する形で延々並走する形。スワーヴリチャードは右回りに不安があるからね。一刻も早くラチ沿いに入れたかったと思うんだが・・・「意地でもラチ沿いには入れん!」・・・という岩田の意地にブロックされてしまった(笑)。これは想定外だったなー。おかげでスワーヴリチャードはずっとストレスがかかるポジション・・・これも競馬。

 

1回目の3~4コーナー。軽快の飛ばすアエロリット。この地点で・・・すでにリスグラシューはスカーレットカラーの後ろのラチ沿いポジションを確保しているね。対照的にアーモンドアイは外!斜め前にフィエールマン、後ろにサートゥルナーリアが居て・・・インに入れない!ワールドプレミアは後方のインを確保しているね。スワーヴリチャードはかなり中途半端な位置取り。

 

スタンド前。ルメールのコメントによると・・・1週前のスタンド前で「アーモンドアイのスイッチが入った」そうだが・・・たしかに、4コーナーではフィエールマンの後ろに居たはずなのに・・・2~3馬身ほどポジションを上げている。掛かってるようには見えないが・・・

 

この時のラップはどうだったのか?

 

 

時計を見ると「45」なので700~900mの地点。この時のラップは11.4。うーむ。中山2500でこのペースはかなり速いと言っていいだろう。このラップの中「2~3馬身ポジションを上げる」ってことは、アーモンドアイだけ「11.0前後」のラップで走ったことになりますな。

これが「スローで流れてる」中なら大して問題じゃなかったかもしれない。しかしこのペースの中ギアを上げるのはかなり辛い・・・しかも、舞台は中山芝2500m。これから中山内回りをマルッと1周回ってこないといけないのだ!

 

正面から見るとわかりやすいね。アーモンドアイは大外。リスグラシューはラチ沿い。これから4回コーナーを回らねばならない。

 

アエロリットはペースを落とさず逃げ脚を伸ばす!2番手スティッフェリオとの差は5~6馬身。

 

1000m通過は58.5。

 

これはアエロリットの殺人ペースだったわけだが、離されたスティッフェリオも59.5前後ペースなのであり、やっぱり結構なハイペースだったと思われる。

 

しかし、1000mを過ぎてからやっとペースが落ちるのである。

 

 

と言ってもハロン12秒ちょい。

しかし前半のペースすげえな。マイル戦みたいなラップ。

 

私も・・・前半はある程度速くなると思っていたが、

これほど速くなると思っておらず。

(1000m60秒くらいかと)

 

さらに向こう正面では12.5くらいのペースになると読んでいたのだが、

実際は12秒ちょい。

 

上のラップタイムの前半と後半を見比べてみれば一目瞭然だが・・・

明らかに前傾ラップだったのである。

 

単騎先頭でぶっ飛ばず津村アエロリット。いくらなんでも飛ばしすぎ?

 

番手にスティッフェリオ、クロコスミア、アルアイン。

 

続いてエタリオウ、スワーヴリチャード。内からスカーレットカラー、外からアーモンドアイ。その後ろにヴェロックス。

 

中団後ろのインにリスグラシュー、外にフィエールマン。アーモンドアイをマークしてますなー。その後ろにキセキ、サートゥルナーリア。

 

後方にシュヴァルグラン、レイデオロ、ワールドプレミア。

 

一旦12秒台に落ちたペースだが、

何故か残り1000m地点で・・・

もう一回アエロリットが加速するのである(11.7)。

 

 

これは鋭いマキビシだった。

 

刺さって脚を削られた馬は多かったと思う。

 

なんせ前半1000mはずっと11秒台のラップだったわけでね。

ちょっと緩んだと思ったら、

残り1000mの地点で再加速して11.7

 

しかし現実には・・・

アエロリットをそのまま逃がすわけには行かないわけで。

(みんなこの馬が粘り強いことをよく知ってる)

 

スティッフェリオ丸山も

アエロリットとの5~6馬身差

は許容出来るギリギリの距離だったと思う。

 

実は・・・今回の有馬記念の勝敗の鍵を握っていたのは

アエロリットではなく、

スティッフェリオ丸山だったかもしれない。

 

この馬がアエロリットとの差を10馬身以上許すことが出来れば、

もっと違うレースになっていたのではないか。

(個人的にはガチの総合力戦となったので良いレースだったと思うが)

 

そして、残り600mを過ぎてから・・・

突如というか当然というか・・・アエロリットに限界が来る。

(私のナニと同じだ)

 

残り600~400mのアエロリットのラップは13.4。完全にバテてしまったのだ。みるみる差が縮まったわけだが、これは追い掛けたスティッフェリオやアルアインも同じ。あまりに早すぎる早漏仕掛けで・・・すぐにバテてしまう。ちなみにもうこの地点でクロコスミア、スカーレットカラーあたりもバテバテ。いつもなら長くいい脚を使うスワーヴリチャードも全く手応えがない。マキビシが刺さってしまったのだ。

 

セオリー通りなら勝負所の3~4コーナー!この地点でアーモンドアイ、フィエールマンも前を捕まえるべく仕掛けて行く!しかし・・・さっき11.7の脚を使ったばかりである。ここから仕掛けて最後まで持つのか???ワンテンポ遅らせてから・・・手応え抜群のサートゥルナーリアが外を突いて上がって行く!最後方で存分に脚を溜めたワールドプレミアもGOサイン!

 

ここで・・・

 

セオリーを完全に無視し、

 

全く動かずにインでジッとしている馬がいる。

 

そう・・・レーン騎乗のリスグラシューだ。

 

残り400mで先頭がスティッフェリオに変わる。後続殺到。アーモンドアイが先頭に並びかける勢い。その外からフィエールマン。さらに外からサートゥルナーリア。明らかにアーモンドアイを目標にして仕掛けているね。ワールドプレミアはインを突く選択肢もあったと思うが大外へ。

リスグラシューは・・・まだこの地点でも持ったまま。ここから・・・スルスルと外にワープする。

 

勢いを殺すことなく、カーブを回りながら遠心力を使って外に出すレーン。この時、スワーヴリチャードとヴェロックスの前を遮る形になったが、手応えが違いすぎるので問題なし。

 

あっという間に大外に出たリスグラシュー。追い出したのは残り300mを切ってから!多くの馬が残り500付近から仕掛けたのとは大違いである(ここに200mの差がある)。

 

残り200m!アーモンドアイが突き抜けるか!と思って見ていたのだが・・・手応えが怪しい!フィエールマン、サートゥルナーリアも意外と伸びない!ここから最後の地獄坂!

 

残り100m!坂で止まるアーモンドアイ、フィエールマン、サートゥルナーリアを尻目に・・・楽な手応えで突き抜けるリスグラシュー!大外を突いてワールドプレミアが追ってくるが、これは2~3着争い!

 

残り50mではもう手綱を緩めガッツポーズの準備をするレーン(笑)。結局・・・ムチを使うことは一回もなかった。

 

最後は余裕の5馬身差!バテながらも2着に踏ん張ったサートゥルナーリアが2着。3着には鋭く追い込んだワールドプレミア。

 

リスグラシュー強い!

ラストラン圧勝!

 

 

 

 

 

レース後の関係者コメント

 

勝ったリスグラシューはノーザンF生産のハーツクライ産駒。2歳時からずっと一線級で活躍して来た馬で阪神JF、桜花賞、秋華賞で2着。古馬になってヴィクトリアマイルで2着・・・とGⅠには届かなかったが、4歳時のエリザベス女王杯を制してから勢いに乗り、香港Cで2着、クイーンエリザベスC3着から、宝塚記念制覇。そしてこの秋は豪GⅠを勝ち、返す刀で有馬記念圧勝。これで年度代表馬も確定だろう。

これで引退・・・というのを惜しむ声も沢山あるようだが、1頭でも多くの血を繋ぐ・・・というのも大事な名牝の仕事だからね。初年度はロードカナロアを付けるという話もあるみたいだが、いい子を沢山出してほしい・・・というのはタテマエで、ホンネを言うと・・・ヤメておこう(笑)。

で、今回のレース振りについてだが、もう文句なしに強かった!・・・というのが前提の話であるが、展開的に大ハマリした!という側面もあったと思う。というのもね。最後の200mはアーモンドアイだけじゃなく、サートゥルナーリアもフィエールマンも止まっているのである。レースのラスト1Fは12.0だが、これは当然リスグラシューのラップで、この馬に5馬身千切られたサートゥルナーリア達は13.0近く掛かっている計算になる。

 

つまり、簡単に言うと、

 

 

多くの馬は2300mのレースをしたわけであるが、

 

 

リスグラシューだけが2500mのレースをしたってわけ。

 

あ、唯一最後に伸びてきたワールドプレミアは武豊のズドン決め打ちファインプレイだったと思う。しかし、この乗り方だと展開が合わなかった場合ドモナラズであっただろう。

 

原因はもちろんアエロリットの殺人ペース。

そしてそれを放置出来なかったスティッフェリオ。

 

リスグラシューにとってはすべてが上手くハマっての5馬身差だったわけだが、仮に違う展開になったとしても、アーモンドアイやサートゥルナーリアが実力を出せる展開になったとしても、当然勝ち負けしていただろうと思う。それくらい素晴らしいデキだったし、レーンの手綱も素晴らしかった。ただ、違う展開だったなら・・・もっと僅差の勝負だったと思うのだ。

 

仮に・・・

 

リスグラシューの鞍上がシュタルケだったら・・・

 

 

なんて想像するのも面白いかもしれない(笑)。

 

2着のサートゥルナーリアはアーモンドアイをマークする形。最後もワンテンポ遅らせる最高の追い出しで・・・おそらくスミヨンは「勝った!」と思ったことだろう。しかし、この馬もマキビシを踏んでしまっており、最後の200mで止まってしまった。結果論を言えば追い出しをもっと我慢するべきだったのだが、ずっと外々を回らされたし、アーモンドアイを負かしに行ってのものだし、いずれにせよこの展開でリスグラシューに勝つのは不可能だったと思う。逆に・・・この展開で2着に残ったのは能力の証明である。実はマイラーなんじゃね?と密かに思っていたわけだが(長い距離は折り合いの不安がある)、己の見る目の無さを恥じるばかりである。来年が楽しみだね。

3着のワールドプレミアは武豊の好騎乗が光った一戦。一発狙うならこの乗り方しかない・・・と考えていたそうだが、勝負師らしい素晴らしい騎乗であった。アエロリットの殺人ペースを無視し、マキビシも踏まず、最後は大外ブン回しで飛んできた。この馬も当然明るい未来があるわけだが、最後に3着まで届いたのは前の馬が止まったから・・・という点も考慮しておいた方がいいと思う。今回、前に行った馬は完全全滅だったからね。

4着のフィエールマンもアーモンドアイを負かしに行っての敗戦。仕掛けが早かったのは致し方ないが・・・この馬も最後の200mで止まってしまった。マキビシが効いたねえ。もうちょい追い出しを我慢出来れば2~3着はあったかも。

5着に、出遅れたキセキ。競馬では出遅れが幸いすることがままあるわけだが(笑)、仮に・・・キセキが出遅れずに前に行っていたら・・・このレースはどうなったんだろうね。もっと激しいペースになった?それともスティッフェリオの代わりに番手に付け、アエロリットが行くのを無視して押さえた?ま、そんなことを考えるのも面白いよね。しかし、最後はじわじわとよく伸びたね。

アーモンドアイの敗因は「アエロリットの殺人ペース」+「外を回らされた」+「残り1000mで放たれたマキビシ」だと私は考えている。3~4コーナーで前を捉えに行く必要性があったのは一番人気の宿命。しかしその早仕掛けをするだけのスタミナは・・・序盤で削られ、外を回ることで削られ、最後にマキビシを踏むことで・・・かなり削られてしまったのである。アーモンドアイとはいえ、1000mをトップスピードで走り続ける事は出来ないわけで。1000~800mを11.7で走った後に、残り500mからスパートして最後までバテずに走る!なんて出来ないのである。あとは精神的なダメージがないことを祈るのみ。こういう敗戦で心が折れてしまう牝馬は多い・・・。

 

私の予想は「前残り」が基本であったため、

印を打った馬はほぼ全滅。

 

しかし、予想はそれでいいと思っている。

展開や枠や馬場でガラリと結果が変わるのが競馬だからね。

 

今回の有馬記念だって・・・

もう一回枠順変えて走ったら、

どうなるかわからないんだぜ!

(リスグラシューが大外枠だったら?なんてね)

 

というわけで、

有馬記念のレース回顧終わり。

 

来週は今年最後、ホープフルSやね。

 

もう休みでいいと思うんだが

(競馬関係者は休みをいつ取るんじゃ!)

 

予想はちゃんとするんでお楽しみに。

 

 

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コントレイル・・・は切る!

早仕掛け過ぎた(笑)

 

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