宝塚記念2016回顧!牝馬マリアライトが制覇!

【宝塚記念2016回顧】今年の宝塚記念を制したのは牝馬のマリアライト!早めスパートで前を行くキタサンブラックを捕まえ、ドゥラメンテの追撃を凌ぐ!という非常に強い内容であった!今後のマリアライトのローテは?天皇賞秋から王道路線?それともエリザベス女王杯連覇へ?ドゥラメンテの故障は?アンビシャスの敗因は?

 

マリアライト、

11年ぶり牝馬の宝塚記念制覇!

 

宝塚記念2016マリアライト画像1

 

いやーマリアライト強かったなー!

 

しかし、心配なのがドゥラメンテ・・・

 

簡単に回顧する。

 

■宝塚記念2016結果、着順

宝塚記念2016結果、着順

宝塚記念2016払い戻し

 

■宝塚記念2016映像

 

■宝塚記念2016回顧

当日の天気は回復したものの・・・降り続いた雨の影響で稍重のコンディション。ペースもさることながら、重馬場適性の差、一瞬の判断が・・・明暗を分けたレースであったと思う。

 

スタートでドゥラメンテとフェイムゲームが若干の出遅れ。

 

宝塚記念2016スタート

 

おそらく・・・ミルコは中団前目のポジションを取りたかったと思うが、出遅れたからには腹を据えて折り合い重視。無理に前に行こうとはせずに中団後方のポジションで脚と溜める戦法に変更。マリアライトは好スタートから馬なりで内に寄せて行き中団へ。

 

ハナに立ったのは予想通り、キタサンブラック。

 

続いて、ワンアンドオンリー、内のアンビシャス、外からカレンミロティック。シュヴァルグラン、トーホウジャッカル、ラブリーデイ、サトノノブレスあたりも先団に加わり、ポジション争いが激化。突付かれたキタサンブラックのペースは想定以上に速くなる。

 

宝塚記念2016先行争い

 

中団には、ステファノス、ラストインパクト、フェイムゲーム、マリアライト。

その後ろにドゥラメンテ、サトノクラウン。

 

宝塚記念2016中団待機

 

後方からヒットザターゲット、タッチングスピーチとヤマカツエース。

 

宝塚記念2016後方待機

 

コースを意識したのか?馬場を意識したのか?あるいはその両方か・・・今年の宝塚記念は前目にポジション取りをする馬が多く、1コーナー突入時まで激しい争いが続いた。

 

宝塚記念2016先行争い1コーナー

 

おかげで、中団~後方はバラけて走りやすい状態。

 

特にトーホウジャッカル、ワンアンドオンリーの行きっぷりが良く、後ろにピタッとアンビシャス・・・キタサンブラックは気持ち悪かったに違いない。

 

宝塚記念2016_1000m通過

 

1000m通過時の隊列も前掛かりである。通過タイムは59.1。

 

宝塚記念2016ラップタイム

 

馬場を考慮すると、かなりのハイペースだったと思う。

良馬場に換算すると58.0~58.5秒くらいか?

その後のペースも落ちることなく12秒台ちょいのラップが淡々と続く。

 

レースは「持久力勝負」・「パワー勝負」に。

 

前目の瞬発力型の馬にとっては、かなり厳しい流れだったに違いない。

(アンビシャス、シュヴァルグラン、トーホウジャッカルあたりの敗因はこれである)

 

3コーナー~4コーナーあたりで・・・

早くも先行馬の手応えが怪しくなって行く。

 

3コーナー。

宝塚記念2016_3コーナー

 

勝負どころの~4コーナー手前。

宝塚記念2016_4コーナー

 

この辺りで前の馬が潰れ、中団の馬がマクって行く。

 

しかし、最もツライはずの・・・

キタサンブラックの手応えはまだ余裕のよっちゃんイカ。

(この馬、相当つえーわ)

 

サトノノブレス、ラブリーデイが先頭に並びかけ、

その外から・・・マクって来た蛯名マリアライト!

 

蛯名は、追い出すと体が上下に動くのでとても分かりやすい(笑)。

 

あ、ちょっと脱線する。蛯名や岩田の激しい上下運動を伴った追い方を「美しくない」「モンキーダンス」と言って揶揄する競馬ファンが結構いるが・・・

 

素人が、何言ってやがる?

(私も素人だが。笑)

 

何言ってやがる

 

馬を前に進める方法は大きく分けて3つ!

 

・馬の邪魔をしない。

・馬を叱咤する。

・馬を助ける!

 

「馬の邪魔をしない」代表的な騎手は、武豊やルメール。「馬を叱咤激励」するのはみんなやるよね。ムチは「加速させる!」というよりバテそうになったのを「叱咤する!」ためにあるのである。連打しても進まないもんは進まないし、バテてない馬にムチを打つ必要もないのである。よく「ノーステッキで上がり33.2秒!化物じゃね?」という論理を聞くが、ムチを振るったから上がり32秒になるわけではないのである。

 

そして、基本的に馬の背にいるジョッキーは、馬にとって「重量」である。この「重量」が馬の推進力になるかどうかは・・・ジョッキー次第。それが、蛯名の上下運動の正体であり、名人芸なのである。実際・・・蛯名が馬を駆るとグイグイと伸びるではないか(馬が故障したりするわけでもない)。

 

若いころの蛯名はそうじゃなかった!

 

という意見もあるだろう。しかし蛯名も47歳。体力が落ちるのは当然であり、そんな中で騎乗スタイルを変えて行って何が悪いというのだ。そして、今年はディーマジェスティでマカヒキを負かし、宝塚記念を勝った。今回「蛯名騎乗だからマリアライトを買った」というファンも沢山いるとだろう。素晴らしいことだと思う。

 

ただ、この騎乗法が「諸刃の剣」であるのも間違いない。

 

一旦調子を落とすと・・・今の岩田のようになる・・・のかもしれん。

 

もうひとつちなみに・・・

 

ミルコ・デムーロは上に挙げた3つを全て高いレベルで出来る男である。今回の宝塚記念のゴール前をもう一度見て欲しい。ムチを奮いつつ、馬の邪魔にならないようにしつつ、体重を移動させてドゥラメンテを動かしているのが見て取れると思う。

 

話を戻そう。

 

 

蛯名がマリアライトを追い出したのが、残り700m地点。

そこからスイスイと外をマクって行く!

(明らかにマリアライトは重馬場の鬼であるな)

 

逆にドゥラメンテは4コーナーでも持ったまま。

内を突くか、外を突くか迷っていたのだと思うが・・・

 

宝塚記念2016_直線入り口

 

スパートは直線に向いて残り400を切ってからであった。

 

この逡巡が命取り。

 

重い馬場の阪神2200である。

4コーナーであのポジションはいかにもツライ。辛すぎる。

 

ドゥラメンテも重馬場は十分こなせることが分かったが、

瞬発力を封じられた状態で後ろから差し切るのは至難である。

 

結果論であるが、

マリアライトと一緒に外をマクって行くべきだったと思う。

ゴール前の脚を見るにつけ・・・そう思うのだ。

 

マリアライトは蛯名の激に応えてグイグイと伸びる!

坂を登る時は辛そうであったが・・・

まさに蛯名自身がマリアライトの推進力となってキタサンブラックを捉えに行く!

 

宝塚記念2016_直線半ば

 

粘る粘るキタサンブラックに、

ルメール満点騎乗のラブリーデイが追いすがる!

 

最後まで伸び続けたマリアライトがキタサンブラックを捕らえ、

猛追するドゥラメンテを凌いだ所がゴール!

 

宝塚記念2016マリアライト画像2

 

宝塚記念2016マリアライト画像4

 

宝塚記念2016マリアライト画像1

 

稍重の勝ちタイムは2:12.8。

マリアライトの上がりは36.3。

 

いやー、良いレースだった!

 

勝ったマリアライトは今後どうするんだろう?個人的には天皇賞秋→ジャパンカップ→有馬記念の古馬王道路線を行って欲しいけど・・・現実的にはエリザベス女王杯連覇を目指すのも有力。この馬は基本的にパワー系持久力型だろう。目黒記念で負けてるように・・・東京の瞬発力勝負はちょっと疑問である。

 

ドゥラメンテであるが、故障の具合がとても心配である。

 

宝塚記念2016ドゥラメンテ画像2

 

宝塚記念2016ドゥラメンテ画像1

 

骨に異常はなく、左前脚の跛行という診断らしいが、

→【宝塚記念】ドゥラメンテ、2着も左前肢故障…凱旋門賞断念し今後は白紙

 

テレビで見てる限り、かなり痛がっていた。

 

思わずサイレンススズカの天皇賞秋を思い浮かべてしまったが、

最悪のことにならずに本当に良かった。

 

二度目の故障・・・すでに種牡馬としての未来は約束されてるわけで、

もしかしたらこのまま引退してしまうかもしれんな。

 

ちと残念だが・・・馬のことを考えるとその方がいいかもしれん。

 

3着のキタサンブラックには今まで何度も驚かされたが・・・再び驚かされたわ。見た目以上に強い競馬をしている。今回、前に行った馬はほぼ全滅。瞬発力型にはヒジョーに厳しい流れであったが・・・最後の最後まで止まらなかった。私は、この馬を「スタミナ豊富な瞬発力型(スローが得意)」と思っていたが、認識を改めなければならんな・・・。持久力・パワーもハンパなしである。

 

4着ラブリーデイは最高の競馬をしたが、これで馬券に絡めない・・・というのは昨年からすると衰えがあるのかもしれん。

 

5着ステファノスも良い競馬をしたが、最後に止まってしまったな。この馬はキレるイメージが強いと思うが重い馬場は得意なので今後も要注意である。

 

6着サトノクラウン・・・以下、私の個人的感想であるが、これがあの岩田か・・・?と思わざるを得ない。直線半ばでドゥラメンテと併せる形。しかしアッサリと千切られてしまった。いや、馬の能力の差であればしょうがないのだが、鞍上岩田はあまりにもあっさりしていたように見えるのだ。以前の岩田なら、敵わないまでも懸命に食らいついていたような気がするのだが・・・。岩田ダンスも見られず・・・ちょっと寂しい。

 

3番人気に支持されていたアンビシャスの敗因はなんだったのだろうか?展開が合わなかった?でも、もっとツライ競馬をしたキタサンブラックは好走しているぜ?期待していた諸兄も多いと思うが・・・この馬は「上がり33秒台」の勝負となるような「スローの瞬発力勝負」が得意な馬であり、重い馬場も合わなかったんだと思う。横典もその辺を考慮して前付けしたんだたと思うが・・・。馬券的な狙い目は秋天だと思うぞ。

 

シュヴァルグランも阪神は得意・・・みたいに言われていたが、その多くは外回り。阪神2200も重い馬場も合わなかったと思う。

 

馬券的には、◎カレンミロティックでズブズブであったが、

一切悔いなし。スガパーである。

秋の狙いは京都大賞典、有馬記念かな!

 

さて、

 

これで春競馬もおしまい。

 

本格的に夏競馬が始まるわけだが、

 

倦まず弛まず、

懲りず諦めずに大穴狙いで行く。

 

退かぬ懲りぬ諦めぬ

 

いつか大万馬券取ったるぜ!

 

 

【浅次郎のひとりごと】

今回の宝塚記念に、ゴールドシップがいたらどうだったかな?と思わず考えてしまった・・・(笑)。

 

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