種牡馬リーディング2017上半期の考察

【種牡馬リーディング2017】現在の種牡馬界は2強。言わずと知れたディープインパクトとキングカメハメハである。勢力図の変更はあるのか?2016年デビューの新種牡馬の成績は?注目種牡馬はハービンジャーとアドマイヤムーン。今年のモッコリ穴種牡馬はクロフネ、ダイワメジャー、ヴィクトワールピサ、サウスヴィグラス!

 

今日は、ふんわふんわと、

2017年上半期の種牡馬リーディングでも眺めつつ、

日本の競馬の将来を案じたいと思う。

 

ネタもオチもないので、スルスルと読んで頂ければと嬉しい。

 

■種牡馬リーディング2017年(7月9日現在)

netkeibaより抜粋

 

1位はダントツでディープインパクト。出走頭数もスゴイが、勝ち馬頭数、勝馬率もスゴイ。出走頭数20頭以上で勝ち馬率が3割を超えているのはディープインパクトとアドマイヤムーンだけである。軽い芝で圧倒的な強さを見せるのも例年通り。もちろん今年も重賞を勝ちまくっており、アルアインで皐月賞を、サトノアラジンで安田記念を勝った。有力な後継不在がディープインパクトの悩みだが・・・この秋、サトノダイヤモンドの凱旋門挑戦が楽しみだな。

 

2位が定位置となったキングカメハメハ。ちなみに、1位ディープインパクト、2位キングカメハメハの並びは2012~2016年まで5年連続。ただ、今年はちょっと様相が違う。今までディープインパクトと同程度の出走頭数を確保していたのだが、今年は大きく減らしているのだ。これは新種牡馬のルーラーシップの影響が大きいと思われるが・・・その件はまた後で述べよう。今年はレイデオロでダービーを制しており、相変わらず大舞台で強い種牡馬である。芝・ダート兼用のパワー型。

 

3位はちょっと離れてステイゴールド。と言っても勝ち馬頭数・勝利回数などはキングカメハメハに匹敵しており、大物が出れば・・・といったところ。今の3~5歳世代はオルフェーヴルが活躍した後に種付けされた世代だから全体的な繁殖牝馬のレベルが高いんだろうね。アドマイヤリードでヴィクトリアマイルを制したが、現3歳世代は手薄。現2歳が実質的にラストクロップである。道悪は鬼のパワー型だが、ダートは全く走らない。

 

4位はハーツクライ。今年はアドマイヤミヤビ、スワーヴリチャードなどを擁してクラシックに挑んだが惜しくも届かず。ただ、この種牡馬は3歳の秋~古馬から強くなる馬も多く、秋の反撃に期待したいな。シュヴァルグランなどはいつGⅠ勝ってもおかしくないが・・・この秋、鬼の居ぬ間に勝てるかな?あ、キタサンブラックは国内だっけか。キレ・パワー共にハイレベルな万能タイプ。ダートより芝。

 

5位はダイワメジャー。今年はレーヌミノルで桜花賞を制し、毎年安定した成績で上位に。瞬発力より持久力に優れた産駒が多く、上位種牡馬の中ではかなり「平均距離が短め」で1542m。この馬も後継種牡馬となるような大物がいないのが悩みのタネ。

 

上位は例年とほぼ変わらんな。SS系独占状態。

 

ちなみに、2016年の種付け料はこんな感じ。

 

3000万円 ディープインパクト
1000万円 キングカメハメハ
800万円 ハーツクライ
600万円 オルフェーブル
500万円 ダイワメジャー ロードカナロア
350万円 ジャスタウェイ ノヴェリスト
320万円 アイルハヴアナザー
300万円 スクリーンヒーロー ブラックタイド ハービンジャー ★ゴールドシップ
250万円 ヴィクトワールピサ キンシャサノキセキ ワークフォース ★エピファネイア ★キズナ
200万円 アドマイヤムーン クロフネ シンボリクリスエス ゼンノロブロイ
150万円 ダノンシャンティ エイシンフラッシュ スペシャルウィーク ★スピルバーグ
120万円 マツリダゴッホ ジャングルポケット ヴァーミリアン
100万円 ディープブリランテ トーセンジョーダン ナカヤマフェスタ ★トーセンラー
90万円 カネヒキリ
80万円 グラスワンダー タニノギムレット メイショウサムソン ★リアルインパクト
70万円 タイキシャトル グランプリボス エスポワールシチー ディープスカイ
50万円 キングヘイロー ベルシャザール ★グランデッツァ ★ワールドエース ★トゥザワールド

 

ディープインパクト、3000まんえ~~~~ん!

 

 

さらに、上位で気になる馬を挙げておこう。

 

7位のクロフネである。元から芝よりダート寄りの種牡馬であるが、近年はさらにこの傾向が強く、ここ4~5年は勝ち星の大半がダートでのもの。今年も現時点で芝8勝、ダートが47勝である。このデータからすると「芝では買う必要なし」なのだ・・・。ただ、その芝8勝の中からNHKマイルCを勝ったアエロリットが出たように、クロフネはたまに芝で切れる牝馬を出すのだ。新馬戦や未勝利戦、あるいは初芝のレースなどで要注意だ。

 

そしてジミーに成績を伸ばしているのが9位のアドマイヤムーン。セイウンコウセイが高松宮記念を制し、待望の中央GⅠ初勝利!勝ち馬率.306はディープインパクトに匹敵する数字であり、種牡馬としてのポテンシャルはかなり高そう。この馬は母父がサンデーサイレンスだけに種牡馬として成功するのは難しいかと思っていたが・・・今後の短距離界を背負う種牡馬になるかもしれない。

 

新種牡馬はどうだったのかな?

 

 

父キンカメ、母エアグルーヴという超良血で大きな期待を寄せられていたのがルーラーシップ(種付け料250万円)。父キンカメから肌馬を奪う形で、初年度からかなりの良血牝馬が集められていたが・・・ダンビュライトの皐月賞3着以外は目立った成績なし。重賞も未勝利。現時点では期待はずれと言わざるを得ない。POGでも人気ガタ落ちだったな。・・・2年目の成績が鍵だが、父の後継の立場はロードカナロアに取られてしまうかもしれない。

 

さらに厳しそうなのが、ディープブリランテ(種付け料120万円)。父が健在ってのがこの馬の不幸なのかもしれんが・・・新たに、キズナ・トーセンラー・スピルバーグ・リアルインパクト・ワールドエースといった同じ父のライバルが出現。初年度産駒で目立ったのはディーパワンサくらい。救いは先日ラジオNIKKEI杯を勝ったセダブリランテスか。この馬の活躍次第・・・あるいは2年目産駒で大物が出れば。

 

それからマイネル軍団が導入したアイルハヴアナザー(種付け料320万円)。フォーティーナイナー系のアメリカ血統であるが・・・どうもやっぱりダート寄りっぽいね。成長力次第だが、今のところは結果が出ていない。そして、エイシンフラッシュの活躍で輸入されたのがキングズベスト。しかし産駒は全くと言っていいほど走っておらず現在79位。かなり厳しいと言わざるを得ない。他、タートルボウルも今のところ58位でいいところなし。

 

というわけで、2016年に産駒デビューの新種牡馬はみんな厳しい門出であったな。

 

さて、お待ちかね~。

 

2017年のモッコリ穴種牡馬を挙げておこう。

 

まず8位のハービンジャーである。2014年に導入されてから55位→14位→9位→8位と順位を上げてきた。今まで大物不在であったが(重賞勝ち馬はベルーフ、ドレッドノータス、プロフェット)、今年はペルシアンナイトが皐月賞で2着、モズカッチャンがオークスで2着・・・とクラシックで好成績。レイデオロはジャパンカップ路線、ソウルスターリングは秋天路線らしいから・・・GⅠ奪取の大チャンスか?もしかしたら今後、非サンデーのエース格となるかもしれん?完全に芝寄りの種牡馬。持久力寄りだと思っていたが、意外と切れる脚を使う。

 

それから気付きにくいけどダイワメジャー。この父の産駒はマイラーが多く、1400~1600で結果を出す馬が多いのは確かだが、意外と1200や1800~2000でも走るケースがあり、この場合は人気が落ちることが多いな。また、スパッと切れるより持久力に長けたタイプが多く、これまた人気になりにくい要因である。桜花賞を勝ったレーヌミノルなんて8番人気だったけんな。

 

 

ダート系種牡馬で面白いのがサウスヴィグラス。ダートの短距離専門であるが、ダートのみでリーディング15位。え?15位って思っちゃうだろ?毎年コツコツと勝ち星を積み上げ、徐々に種付け頭数を増やしている堅実派。そろそろ大物が飛び出すかもしれない。あとダート系ではシニスターミニスター、アグネスデジタルもいいな。

 

下位で個人的に注目しているのが、タニノギムレット、メイショウサムソン、ダノンシャンティ、ローエングリン、スクリーンヒーローかな。

 

 

まあ、しかし種牡馬リーディングを見ていると・・・

 

 

血の閉塞感が半端ない。

 

上位20位以内の種牡馬の内12頭がサンデーサイレンスの血を持っており、それ以外はダート系種牡馬がほとんど。例外はキングカメハメハとハービンジャーとシンボリクリスエスくらいである。

 

ブライアンズタイムの系譜はタニノギムレットで終わってしまうのか・・・トニービンの系譜はジャングルポケットで終わってしまうのか・・・ノーザンテーストの系譜はどこに行った・・・私のちんこはこのまま涸れてしまうのか・・・(笑)。

 

淘汰は進化への道。

 

考えても詮無いことであるが、日本の競馬の行く末が心配である。

 

さてと、

 

次回は騎手の話でもするかなー。

 

今週もデムルメ?

 

 

【浅次郎のひとりごと】

日曜函館5Rの新馬戦で、ゴールドシップの全弟ゴールドフラッグが出走。まあ、兄が偉大過ぎるので比較するのは可哀想であるが、頑張って欲しいなあ。