天皇賞秋2020レース回顧!アーモンドアイGⅠ8勝目!

【天皇賞秋2020レース回顧】東京芝2000m、良馬場で行われたGⅠ天皇賞秋。今年は断然の人気に押されたアーモンドアイが貫禄勝ち。史上最多のGⅠ8勝目を挙げた。アーモンドアイの次走は?クロノジェネシス、ダノンキングリー、キセキ、フィーエルマンの敗因は?レースを振り返ってみよう。

 

アーモンドアイ、

史上最多GⅠ8勝おめでとう!

 

 

いやー。アーモンドアイ、強かったね!

 

色々と書きたいことはあるが、

とりあえずこの馬の偉業を讃えつつ、

レースを振り返ろうと思う。

 

■天皇賞秋2020レース結果

単勝が140円、馬連が970円、三連複が960円・・・正直穴党にゃどもならんレースでしたな。

 

■天皇賞秋2020映像

 

■天皇賞秋2020レース回顧

大きく出遅れる馬もおらず、揃ったスタート。ただ、運が悪かったのが6番のフィエールマンと7番のクロノジェネシス。内の5番ウインブライトが4番ダノンキングリーと軽く接触したため若干外に振られ、さらに8番キセキが好スタートから先行を主張したため・・・この間に挟まる形になってしまったのである。

 

さらに・・・東京芝2000はスタートしてすぐ2コーナー。どの馬もいい角度でコーナーに入りたいため・・・どうしたって窮屈になってしまうんですな。フィーエルマンとクロノジェネシスは、狭くなったスペースで4~5回馬体をぶつけた挙句に後方に追いやられてしまう。外から巧く被せて行ったキセキ武豊の老練な技であった。

そして・・・キセキの通った後をトレースする感じでスムーズにポジションを取りに行くアーモンドアイ。ライバル2頭を後ろにやりつつ理想のポジションを取ることに成功。ルメールはほくそ笑んだに違いないが、立場が逆だったら・・・結果も逆だったかもしれない。

 

行ったのはダノンプレミアム。これはちょっと想定外だったなあ。外枠だったし控えると思ったのだが・・・思い切った戦法に出た。

 

離れた2番手にダイワキャグニー。

 

2馬身後方にキセキ、アーモンドアイ、ダノンキングリー、ウインブライト。キセキはこの位置かあ・・・

 

その後ろにブラストワンピース、ジナンボー。

 

中団後方にクロノジェネシス、フィエールマン。

 

後方にスカーレットカラー、カデナ。

 

ラップタイムはこう。

 

 

前半の3Fが36.5。

1000m通過が60.5・・・。

 

これはかなりぬるいペースだったと思う。

まあ、逃げ専門ではないダノンプレミアムのペースだったからして

しょうがないと言えばしょうがないのだが・・・

 

ちなみに、

昨年の1000m通過は59.0、

1昨年前は59.4である。

 

馬場の違いはあるだろうが、

今年はかなりのスローだったのだ。

 

その証拠に、

後半の1000mラップが57.3。

ラスト3Fが33.6。

つまり、後半の方が3秒以上速いラップだったのであり、

もっと正確に言えば、

上がり3Fの瞬発力勝負!

だったのである。

(まあ、メンバー的にもそうなるだろうとは思ってたが)

 

これだけスローだと・・・

何かを仕掛けて来る馬が出てきそうだが・・・

自分がそれをやっちゃうと潰れてしまうからねえ。

 

呪縛にあったように誰も動かない。

 

唯一ちょっとだけ動いて行ったのがピンクの帽子のジナンボー。3コーナーからジワッと上がってアーモンドアイの外で蓋をする格好。これにはルメールもドキッとしたと思う。

しかし・・・他の馬に動きはなし。瞬発力に自信のあるダノンプレミアムはギリギリまで脚を溜める方針。東京が得意なダイワキャグニーも控えて脚を溜める。アーモンドアイの前にはこの2頭しかおらず、進路は簡単に開くだろう。

 

4コーナー。しかし・・・どの馬も動かない。動かない。

 

さあ直線へ!これ以上は我慢出来ない!とばかりにダノンプレムアムが追い出す!キセキ・ダイワキャグニーが前を追う。そしてコーナーを回りながらダイワキャグニーの外に出したアーモンドアイは持ったまま前を追う。ワンテンポ早くクロノジェネシスが点火。この時フィエールマンは進路が取れなかったんだが・・・ジッと馬群の中で爪を研いでいた。いやあ・・・福永、落ち着いてるなあ。

 

残り400!アーモンドアイはまだ持ったまま。クロノジェネシスがグイグイと前を追う!そして・・・クロノジェネシスを行かせたあとにス―――っと外に出したフィエールマンの視界が開ける。同時に追い出し開始。

 

坂を登ってからアーモンドアイが追い出し開始!私はココで・・・アーモンドアイの勝利を確信し、

「何馬身突き放すんだろう?」

と思ったのである。

 

一気に加速してダノンプレミアムを捕えるアーモンドアイ!しかし・・・後ろから迫り来るクロノジェネシスの脚色の方がいい!さらに・・・ツーテンポ遅らせて追い出したフィエールマンが鋭く伸びてくる!

 

凌げるかアーモンドアイ!届くかクロノジェネシス!まとめて差し切るかフィエールマン!

 

届かず!鋭く伸びたフィエールマンだったが・・・クロノジェネシスを交わし、アーモンドアイの半馬身まで詰め寄ったところがゴール。

 

アーモンドアイの貫禄勝ち!

 

勝ちタイムは1:57.8。

上がり3Fは33.1。

 

 

 

 

 

 

勝ったアーモンドアイはノーザンF生産のロードカナロア産駒。これでGⅠは8勝目となり、史上最多のGⅠ勝利数を更新。これで歴史に大きく名前を刻むこととなった(いろんな議論はあると思うが)。もう穴党からすると名前を聞いただけでチンコが萎む存在であり、津々浦々で彼女の偉大さについて触れられているだろうから今更私が言うことは何もない。

ただ、今回のレースで私が感じたことを正直に書けば「去年のアーモンドアイの方が強かったんじゃね?」ということ。文中でも書いたが、以前のアーモンドアイなら「後続をブッチギってもおかしくない」ような手応えだったんである。もう理想的な展開と言っても過言じゃなかったし、ポジションも仕掛けのタイミングも最高であった。もちろん勝ち切ったのだから凄い馬であることに違いはないが、この展開なら最低でも2~3馬身くらいの差を付けて勝ってもおかしくないと思うわけだ。

当然、アーモンドアイとて馬である。

調子の上げ下げもあろうし、競走馬としてのピークもあろう。今回のアーモンドアイの競馬を見るに・・・「もう十分走ったよね・・・」と思ってしまうのである。次がラストランとの話だが・・・予定では香港カップ?らしい。個人的にはもう一度ジャパンカップに出走して欲しいが(東京の良馬場なら十分やれると思う)・・・是非有終の美を飾って頂きたい。

 

2着のフィエールマンは実に惜しい競馬であった。スタート後の不利があってポジションが取れずに後方から、そして直線も進路が取れずに追い出しが遅れた(これが功を奏したかも)んだが、直線はカミソリのように切れる脚を繰り出して猛追。上がり32.7の鬼脚を使って女王を追い詰めた。前々から言ってたが・・・やはりこの馬の本質は「瞬発力系の中距離馬」。能力があるから長距離のGⅠをこなしてるだけで(長距離GⅠはメンバーが薄い)本質はこのくらいの距離が合う中距離馬なのだと思う。次はジャパンカップ?人気になるだろうけど・・・怖いなあ。有馬記念なら斬りで(笑)。

 

3着のクロノジェネシスも同じく惜しい競馬。本来もっといいポジションが取れる馬だし、本当はアーモンドアイと同じような位置で競馬がしたかったはず。不運もあって後方からになったが・・・かなり長いこと脚を使って最後はアーモンドアイに肉薄。この馬の東京適正を疑問視する声もあったと思うが、使った上がりは32.8。やはりかなり斬れる脚を持っていたね。最後甘くなったのは状態面が影響したのではないか。調教チェックでも書いたが・・・この馬にとって天皇賞秋はステップレース。花はアーモンドアイに持たせ、実利(3億円)を取りに行く算段ではないか。本番は・・・次だ。

 

4着は逃げの手に出て粘ったダノンプレミアム。理想的な展開だったし、この馬の瞬発力が活きる流れ。デキの良さもあっての好走であったが、ちょっと前の馬とは差があった・・・というより、ちょっと距離が長かったのではないか?スローなら2000mもこなせるが・・・本質はマイラーだと思う。

 

5着に先行策を取ったキセキ。完全に結果論で言わせて頂くが・・・ちょっと中途半端な競馬であった。この馬は良くも悪くも極端な競馬が合う馬。そして「瞬発力型」ではなく「持久力型」の馬である。パワー型だと思われている節があるが、高速馬場も得意なタイプで東京はむしろ得意である。ただ、スローは合わない。徹底して合わない。一貫した流れの厳しいレースが得意なのである。このメンバー構成なら・・・ハナに行ってイチカバチカの勝負をした方が良かった。1000m58.5くらいのペースで行けば・・・何が起きるか分からんかったと思う。

 

人気の一角だったダノンキングリーは断トツの最下位・・・敗因はなんだったのか?位置取りはアーモンドアイの真後ろ。展開は向いたと思うが、直線は早々に手応えを失くし、ジョッキーも諦めるのが早かった。ちょっとよく分からんが・・・やはり調教チェックで書いた通り「調子イマイチ」だったのではなかろうか。抜本的な立て直しが必要だろう。

 

私の◎ウインブライトは直線全く伸びずに10着。いわゆる惨敗というやつだが(笑)、この馬も瞬発力タイプじゃなく持久力タイプだからね。展開が全く向かなかった。やっぱり・・・東京も合わない。わずかな可能性に賭けたんだけど、しょうがないね。次の香港で期待しよう。有馬記念でもいいぞ!

 

以上回顧終わり。

 

今週は重賞予想はサッパリだったが・・・

福島の平場が面白いぞ!

 

堅いレースで無理して張るより、

荒れそうなレースに張った方がいいよねー。

 

さて、今週の重賞はどうしようかな。

 

 

【浅次郎のひとりごと】

また細かい話をしてしまうのだが・・・「アーモンドアイ8冠」という報道をしているメディアが沢山ありますな。言いたいことは分かるが、これは正確な報道ではない。「アーモンドアイGⅠ8勝」が正確な報道である。競馬は将棋や囲碁とは違いタイトルを「冠」とは言わない。競馬における「冠」とはすなわち「三冠」のことであり、皐月賞・ダービー・菊花賞のことである。天皇賞を3回勝っても「三冠馬」とは言わないのであり、同じようにGⅠを8回勝っても「8冠馬」とは言わないのである。

例外的に、「三冠馬」が他のGⅠを勝った時に「4冠馬」「5冠馬」と言われれることはあるかと思う。現代で言えばコントレイルが今後GⅠを勝てばそう言われることになるだろう。それはまあ許されるとしても、アーモンドアイは三冠馬ではないので(牝馬三冠であるが)、「アーモンドアイ8冠」という表現は正確ではないのである。もちろん我々一般人がそう言ってアーモンドアイを讃えるのはいい。しかし公のメディアがそう書いちゃならんだろう・・・と思うのである。しかしあんた・・・ほんと細かいなー(笑)。

 

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