有馬記念2018回顧。逆襲のブラストワンピース!

【有馬記念2018レース回顧】中山芝2500mで行われた暮れのグランプリGⅠ有馬記念。勝ったのは唯一の3歳馬ブラストワンピース。2着に1番人気のレイデオロ、3着に9番人気のシュヴァルグランが入った。ブラストワンピースの勝因は何だった?レイデオロ、キセキ、モズカッチャンらの敗因は?浅次郎が有馬記念を回顧する。

 

逆襲のブラストワンピース、

有馬記念を制す!

 

 

いやあ、強いのは重々承知していたが・・・

菊花賞4着からの巻き返しは想定してなかったなあ。

 

あと、中山も合わんのでは?と思っていたが、

実は小回り持久力戦の方が得意なのかもしれん。

 

簡単に回顧する。

 

■有馬記念2018結果、着順

いつも言ってる気がするが、この配当だと穴党はドモナランですな。

 

■有馬記念2018映像

 

■有馬記念2018レース回顧

スタート!

ミッキースワローが出遅れて後方から。他はまあまあ揃ったスタートであったが・・・前に行く予定だったであろうクリンチャーが出負け。前へ行くのに脚を使う羽目に(致命傷)。それから、このレースの最大の鍵馬である・・・

 

キセキも出負け。

 

このアングルだとよく分からんが、パトロールビデオで見ると・・・スタート直後に外のシュヴァルグランと接触したみたいですな。そのせいで半馬身ほど遅れてしまい・・・さらに外枠なのもあって、前に行くのに結構脚を使わされてしまったのである。

 

内枠で好スタートを切ったオジュウチョウサンがハナを主張。外枠からミッキーロケットが積極的にポジションを取りに行く!モズカッチャンサウンズオブアースも前へ。

そしてその外にいる水色の勝負服がブラストワンピース!いつも中団後方からの競馬をする馬だが・・・積極的にポジションを取りに行く競馬。インタビューでは「積極的に動かしていった」と池添が言っているからして、意図的な騎乗であったのが伺える。

それから、上の画像で分かる通り、不可解な騎乗をしているように見えるのが赤い帽子のパフォーマプロミス。スタートから出していって好位に取り付くかに見えたこのタイミングで・・・手綱を絞り、ブレーキを掛けているのである。素人目には掛かっているようには見えないし、前をカットされたわけでもない。「掛かりそうになってブレーキを掛けた」、あるいは「中団からレースをする作戦だった」のかもしれんが・・・うーん。前に行くと思って馬券を買ってたファンからすると何とも不可解。

 

行き脚がついたキセキが外から先頭へ。外枠だったために、こんなに外を回らされることに。ミッキーロケット然り。この2頭はかなり外枠が響いたと思う。

 

一周目のスタンド前。ブラストワンピースは中団前目の外。7~8番手のポジションでバッチリ折り合っている。その直後にレイデオロ。ルメールは最初からブラストワンピースをマークするかのような乗り方をしているね。

 

先頭から殿までは11~12馬身くらい。

 

ラップタイムは、

 

 

1000m通過が1:00.8。

 

馬場を考えると速めのペースだろう。

 

出遅れたキセキが、

挽回するために引っ張ったことがその主たる要因だと思う。

 

しかし、1000m地点あたりからラップが落ちる。

 

川田巧い。

 

ただ・・・誤算もあった。

 

軽快に逃げるキセキ。3馬身差を付けているが、ここでラップを落としている。巧い。

 

チョイと離れてミッキーロケットオジュウチョウサン。その後ろにサウンズオブアースクリンチャー。クリンチャーはやっぱ海外帰りのダメージあったかなあ・・・。

 

モズカッチャンの後ろにブラストワンピース。この時点で前から7番手。左右に馬がいないストレスフリーなポジション。

中団後方にサトノダイヤモンド、内にマカヒキ、外にレイデオロ。その後ろにシュヴァルグランパフォーマプロミス。シュヴァルグランはレイデオロをマークしている感じですなあ。

 

後方にスマートレイアーサクラアンプルールリッジマン。レイアー姐さんはこれで引退かな?

 

最後方は燕の一撃に賭けるミッキースワロー

 

残り600m。ブラストワンピースがココで早くも仕掛ける!この仕掛のタイミングがドンピシャだった。前を交わし、後ろを封じるためのジャストタイミング。

 

追いかけるようにレイデオロも追い出すが・・・もしかしたら、レイデオロにとってはワンテンポ早い仕掛けだったかもしれない。

 

おそらく・・・ブラストワンピースより、

前を行くキセキを意識しての仕掛けだったと思う。

 

当然、ルメールはジャパンカップを徹底して研究しているはずであり、

キセキの粘り強さも重々承知していただろう。

 

「早めに行かないと逃げられてしまう!」

 

そう思ったのではなかろうか。

 

しかし今回、

 

前を行くキセキを心配する必要はなかったのだ。

 

実は、

 

キセキ川田は・・・残り1000mの地点で、

人知れずペースアップしていたのである。

(そして、後続との差が開いている)

 

 

残り1000m~残り600mが11.6-11.8。

 

おそらく、

 

川田はこの超ロングスパートでもイケる!

 

と思っていたんだと思う。

 

ジャパンカップのレース振りが自信の源だったのだろう。

あの時もラスト1000mからペースを上げ、

そのまま逃げ粘ったのである。

 

キセキとしては瞬発力勝負にしたくないからね。

一貫したハロン11秒後半くらいの流れで勝負したかったんだろう。

これは正しい選択だったと思う。

 

ただ、今回はジャパンカップ時とはちょっと事情が違った。

そう・・・今回は出遅れや外枠の不利もあり・・・

序盤で結構脚を使わされているのだ・・・

 

これが、最後の100mで響いてしまうのである。

(完全にバテてしまう)

(結果だけで言えば、超ロングスパートは自爆だったのだ)

 

レイデオロは

キセキを意識せず、ブラストワンピースだけを

目標にしておけば良かったのだ。

 

ま、結果論だけどね(笑)。

 

残り400m。差を保ったまま4コーナーを回るキセキ。しかし・・・この後、急速にスピードが鈍っていく。追撃態勢に入るミッキーロケット。番手で脚を溜めていたオジュウチョウサンも追い出しに入る。馬券持ってた人は「ま、マジで来るかも?」と思ったでしょうな(私も少し思った。笑)。外からブラストワンピースレイデオロが迫る。

 

残り300m。ミッキーロケットとキセキの馬単表裏を1000円持ってた私は連続絶叫(笑)。しかし、外からブラストワンピースとレイデオロが迫る。そして中団後方にいたシュヴァルグランは外に出さずに馬群に突っ込む選択。そして狭いとこにねじ込んで追撃態勢に!ボウマン凄えな。

 

残り200m!

 

うおっ!うおっ!

 

ミッキーロケットォォォ!

 

 

多分、こんな顔してたと思う(笑)。

 

残り100m!

 

来たあっ!

 

交わせっ!

 

 

交わせっ!

 

交わせっ!

 

あっ!

 

 

だ、

 

だめっ!

 

ブラストワンピースは持ってないっ!

(レイデオロも持ってねえけど。笑)

 

 

ぎゃー!

 

こうなったらキセキとミッキーロケットの・・・

 

ワイドに期待っ!

 

(画像提供は現地で撮影されたノリスケさん)

 

ふんげー。

 

レイデオロとシュヴァルグランも来たったー(涙)。

 

残り50m!

 

ミッキーロケットも懸命に脚を伸ばすが・・・

残り50mで止まってしまうっ!

 

一杯になったキセキをブラストワンピースが抜き去り、

後ろからレイデオロとシュヴァルグランが迫る!

 

が!

 

なかなか差が詰まらないっ!

 

そして、

 

クビ差押さえたところがゴール。

 

逆襲のブラストワンピース!

古馬勢を一蹴し、有馬記念制覇!

 

稍重馬場の勝ちタイムは2:32.2。

勝ち馬の上がり35.7。

 

キセキのペースはかなり厳しいラップで。

持久力と底力が試された

グランプリにふさわしい総合力勝負だったと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝ったブラストワンピースは、ノーザンF生産(ノーザンFは今年GⅠ15勝らしい)、シルクレーシングの持ち馬。大竹調教師は初GⅠ制覇。外人騎手のGⅠ連勝を止めたのは有馬記念男の池添であった(有馬記念4勝目)。乗り替わりの激しい昨今の競馬界において、デビューからずっと同じ騎手が乗り続けるのはもはやツチノコを見つけるかの如き事象なのであるが(それが有力馬であれば尚更)、池添はデビューから全てこの馬の手綱を取って来たのである。大一番で負けても負けても池添を鞍上に据えた陣営も見事だが、それに応えた池添も見事。喜びも3倍酔王拳だろう。お願いだから鞍上外人チェンジしないでね(笑)。

しかし、今回の勝ちっぷりを見ると・・・この馬の評価はまたガラッと変わるでしょうな。いや、もともと・・・評価は高い馬だし、私の中でも「幻のダービー馬」的なポジションにはいたのだが、菊花賞の負けっぷりが「実力」だったような気がして今回馬券的に押せなかったのである。しかし、そうじゃないことを今回証明したわけで。どうもこの馬は、菊花賞のような上がりだけの瞬発力勝負より、今回の有馬記念のようなパワーと持久力と底力勝負の方が向いているような気がするね。速い上がりも使えるもんだから勘違いされやすいのではないかと。

今後のローテはどうすんだろ?ドバイに行かないのなら、大阪杯→宝塚記念がいいと思うね。天皇賞春は多分向かない。

 

2着のレイデオロの敗因については、文中でも述べた。ルメールは「4コーナーでの手応えが悪かった」「馬場がどうのこうの」と言っているが、勝ち馬をマークするポジションで負けたのだから、その原因は「馬の力が足りなかった」or「騎乗ミス」である。まあ、今回騎乗ミスってほどのミスではないが、あとワンテンポ仕掛けを遅らせていれば、今回のクビ差は変わっていたかもしれない。ブラストワンピースも最後は一杯になってたからね(ラスト1Fは12.9掛かっている)。来年はどうするんだろね?ドバイ行くのかな?

 

3着のシュヴァルグランは不利な大外枠15番。序盤~中盤は中団後方で脚を溜めることに専念し、レイデオロが仕掛けたのを確認してからからスパート。凄かったのは4コーナーで馬群に突っ込み、距離ロスを最小限に押さえたこと。普通・・・レイデオロの外から行くと思うけどねー。いやーボウマン巧いわ。枠とコースが嫌われての人気薄だったが、上がり2位を繰り出しての僅差3着。枠がもうちょい内なら・・・あと一列前のポジションが取れていたら・・・と思わずにいられない。改めて実力を示した一戦であった。

 

4着のミッキーロケットはもう最高の競馬をしたと思う。外目の枠が痛かったが、積極的にポジションを取って、直線も早めに追い出して、最後はキセキを捕まえて4着。私のように直線絶叫したファンも多かったろう。こういう一貫したペースの持久力勝負はとても向いているね。またいつか穴を開けると思うんで要注意ですぞ。負けて納得のレースであった。

 

5着のキセキの敗因は、外枠と出負けに尽きると思う。あれで結構脚使わされちゃったからね。最後の100mでバテたのはそのせいなんじゃないかな。いや、もしかしたら巷で言われている通り、連戦の疲れがあったのかもしれない。その辺は馬に聞かないとわからんが、やっぱりこういうキャラの馬がGⅠに居た方がずっとレースが面白くなるね。また応援したくなる馬である。来年は天皇賞春を目指すのかな?

 

6着のサトノダイヤモンドはこれが引退レース。内枠からロスなく中団前目のインのポジション。脚を溜めて直線を向いたはずが・・・ガツンと来るところなくジワジワと伸びただけ。モズカッチャン・オジュウチョウサンあたりを交わすので精一杯であった。調教チェックの時から「ワンパンチ足りない」ような気がしていたがその通りの結果となった。とはいえ、0.6秒差の6着だからね。まだGⅡ・GⅢクラスなら走れると思うが、種牡馬の価値を考えると引退した方がいいだろうね。これだけ活躍馬を出しているディープインパクトであるが、その後継馬は未だ不在・・・種馬として輝きを期待したい。

 

サクラアンプルールは後方から大外ブン回しで上がり3位を繰り出して7着。シュヴァルグランと同じような脚を使っているが、明暗を分けたのはコース取りだろう。来年も現役なんかな?どこかで穴を開けると思う。

 

人気の一角だったモズカッチャンは直線ズブズブの8着。いい枠だったし、鞍上ミルコだったし、去年のクイーンズリングが脳裏に浮かんだ方も多かったと思うが、この馬の良績は東京・京都に集中しており、軽い馬場でキレるタイプのハービンジャー産駒だと思っている。持久力+底力勝負の中山2500は向かない・・・と考えて私は馬券に入れなかった。スローで脚が溜まる展開なら当然アリだったろうけど、今回はキセキが居たからね。

 

最後に、今回の有馬記念を盛り上げたオジュウチョウサンについて。正直な所を言えば、想像以上の好走だったと思う。4コーナーを回る時は「もしかして?」と思わせる手応えだったもんね。モズカッチャンやマカヒキなどと差のない競馬をしていることからも・・・平地のGⅡ~GⅢなから勝つ力あるんじゃないかと思う。来年どうすんのかな?引退しても種牡馬にゃなれない?

 

以上回顧終わり。

 

(一応断っておくが、これは浅次郎の個人的な見解である。自分の見解と違うからといって石を投げたり、脇毛を近づけたりしないように!ナメちゃうぞ!)

 

これで今年も終わり・・・

 

じゃないんだよね。

 

もう一発、ホープフルSでまた会おう~!

 

大竹調教師ってまだ若いんやねー!今後要注目。

 

【浅次郎のひとりごと】

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