マイルCS2016回顧。斜行・不利が無ければ?

【マイルチャンピオンシップ2016回顧】混戦のマイルCSはミッキーアイルの逃げ切り勝ち!しかし直線の斜行で後続馬(ネオリアリズム、サトノアラジン、ディサイファ、ダノンシャーク)が大きな不利を受け・・・後味の悪い結末となった。不利が無ければ勝てたのか?不利が敗因だったのか?浜中騎手への制裁は妥当なのか?

 

ミッキーアイル、新マイル王に!

 

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いや~しかし、今回は納得行かん人むっちゃ多いやろな~。

 

簡単に回顧する。

 

■マイルCS2016結果、着順

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■マイルCS2016映像

 

■マイルCS2016パトロールビデオ

※リンク切れの場合はJRAのHPへ。

 

うおお。パトロールビデオで見ると・・・サトノアラジン、ディサイファの受けた不利は尋常じゃねーわ。ネオリアリズムは不利を受けながらも何とか凌いでる感じ(ムーアうめえ)。ダノンシャークも相当な不利を受けてるがイスラボニータの外までふっ飛ばされて逆に助かった感じか。

 

これで着順通りってんだから、納得出来ない人も多いと思う。

 

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浜中、開催8日間の騎乗停止処分「申し訳ない」降着なしもJRAは「悪質」判断

 

特に、

 

不利を受けたサトノアラジン、ディサイファ、ネオリアリズム、ダノンシャークの馬券を持ってた人は・・・ケンシロウ怒りモードになっているのではなかろうか?

勝ち馬ミッキーアイル斜行で審議10分も降着なし…武豊「転倒しなくてよかった」

 

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掲示板等を見てると・・・

 

・JRAの裁決には納得できない!(降着にしろ!)

・JRAのルール通りだから問題ない。

 

という2つの意見で真っ二つである。

 

もちろん批判的な意見の方が圧倒的に多いわけだが・・・

(サトノアラジンの馬券持ってた人多いだろうしね)

 

じゃあ・・・どうしたらいいのか?

 

私には、分からん。

 

ただ、こう思っている。

 

・不利がなければ着順が入れ替わったのか?なんて、誰にも分からん。

・騎手が意図的に斜行したのかどうか?なんて、誰にも分からん。

・いずれにせよ危険な騎乗は厳罰にするべき。

 

今回の件に限らず、大きな不利が発生した時に、全てのファンが納得する着順にすることなど出来ない。例えば、ミッキーアイルを降着にするとしても、じゃあ全く不利が無かったイスラボータが1着になるのか?大きな不利を受けたネオリアリズムが実は1着だったんじゃないか?いやいや、サトノアラジンはあそこからスパッ!と伸びたはず!ディサイファやダノンシャークだって勝つ可能性はあったかもしれない。勝たないまでも2~3着はあったかもしれない。

 

不利がなければどういう着順になっていたのか?なんて誰にも分からないのである。・・・であれば、「(極悪騎乗じゃなければ)とりあえず着順通りに」という現行のJRAの裁決ルールも分からんでもない(世界基準らしい)。

 

しかしそれでは「やったもん勝ち」という事態を招くこともあるだろう。危険な進路妨害は落馬や転倒といった大惨事になる可能性がある。だから、危険な騎乗には厳罰が必要であり、危険騎乗に対するジョッキーの意識が必要不可欠であろう。

 

一方、ジョッキーには多少のリスクを犯してでも勝ちに行くような貪欲さが必要なのも事実。危険騎乗と好騎乗は紙一重であり、馬券を買う方からすれば、やっぱり貪欲なジョッキーの方が頼りになるし、買いやすいわな。今回の浜中の騎乗も迫りくるネオリアリズムをブロックしたい一心だったのだと思う(結果的にネオリアリズムの後ろから来ていた馬に多大な影響を与えてしまった)。

 

もちろん今回の浜中の騎乗は批判されるべき危険騎乗である。寄せて行くにせよやり過ぎである。しかし、私が見ている限り、直線で「馬を寄せて行く騎乗」は多かれ少なかれ行われているし、テクニックの一つだとも言える(もちろん明確な進路妨害にならない範囲の話だ)。今回も、被害がネオリアリズムだけであったら、審議にはなったにせよ・・・こんな大騒ぎにならなかったと思う。人気のサトノアラジン、中穴馬のディサイファ、大穴のダノンシャークがその外から伸びて来ているところで・・・さらに外からイスラボニータが被せて来ていたのである。悪いタイミングが重なってしまったのだ。

 

そして、もう一つ。今回の浜中の騎乗は「意図的」「悪質」であったと思うが(右ムチ連発してネオリアリズムに寄せて行ってるように見える)、馬は騎手の意図に反して「斜行」してしまうこともある。極限状態で馬がヨレてしまうのだ。これを「真っ直ぐ走らせるのがジョッキーの仕事だ」などと言ってしまうと酷なケースもあると思う。こういったケースでも降着や処罰が必要なのか・・・私には分からない。

 

私が一つ言えるのは、

 

「不利も有利も競馬の内」

 

ということだ。

 

JRAの裁決も競馬の内。

競馬をやって行くためには・・・全てを受け入れる他ないのである。

 

意見があったら下のコメント欄に書き込んで欲しい。

 

さて、前置きが長くなったが、回顧に移ろう。

 

■マイルCS2016回顧

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ミッキーアイルが抜群のスタート。テイエムタイホー、ディサイファも好スタート。出遅れたのはロードクエスト、サトノアラジン、ダコール。

 

ハナに立ったのはミッキーアイル。外からネオリアリズム・サンライズメジャーが追いかけ、ウインプリメーラ、スノードラゴン、ディサイファが好位。

 

その後ろにイスラボニータ、クラレント。中団にフィエロ、ヤングマンパワー、サトノルパン。内にサトノアラジン、テイエムタイホー、ダノンシャーク。

 

後方待機がロードクエスト、ガリバルディ、マジックタイム、最後方からダコール。

 

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600m通過は34.4。

ここまでは速くもないし遅くもない平均ペースだが、

 

ここから緩むことなく速いラップが並ぶ。

 

ラップタイムはこんな感じ。

 

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600~800mが11.7。

800~1000mが11.4。

1000m通過が57.5。これは締まった厳しいペースになった。

 

テレビ中継では「平均ペース」なんて言ってたが、

重目が残った芝でこのラップはかなり厳しい流れだったと思う。

 

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4コーナー手前の隊列はこんな感じ。

 

先頭のミッキーアイルは一貫した厳しいペースでも手応え十分。

直後のネオリアリズムも手応え良し!

私の◎スノードラゴンは手応え悪し!(4角でオワタ)

 

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前の2頭が抜け出すも・・・

 

内からはインを猛然と突いたサトノアラジン、ディサイファが追いかけ、

外からはイスラボニータがじわじわと詰め寄る!

 

問題のシーンは残り100m。

 

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ミッキーアイルが外に寄ったことでネオリアリズムも外に振られ・・・大外からイスラボニータが内に切れ込んて来ていたため、サトノアラジンとディサイファが挟まれてジ・エンド。ダノンシャークも大きく外に振られて脚が止まってしまった。

 

以下、私の邪眼による推測であるが、サトノアラジン、ディサイファ、ダノンシャークは不利を受ける直前、外から詰め寄るイスラボニータと同じような脚色であり・・・最も体勢が良かったイスラボニータがミッキーアイルを交わせなかったのであるから、結局不利がなくてもミッキーアイルが1着だった可能性が高い・・・とするJRAの裁決は一応筋が通っていると思う。

 

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声を挙げる川田と武。

 

ただ、併せ馬になって脚を伸ばす馬だっているし、残り100mの地点でもう一つギアが上がる馬だっている。サトノアラジン、ディサイファなどは伸びそうな予感がするところで不利を受けており、もしかしたらミッキーアイルを交わしていたかもしれん。少なくとも・・・ネオリアリズムとは着順が入れ替わっていた可能性は高いと思う(ネオリアズムも不利を受けたが、後ろの馬に比べると脚色に影響はなかった)。

 

ま、全てタラレバの話。

 

勝ったのはミッキーアイルである。

 

勝ちタイムは1:33.1。

上がり3Fは35.6。

ハイペースの消耗戦を堂々と乗り切ってみせた。

 

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ミッキーアイルはこの厳しいペースで粘りきった。強いの一言である。私は・・・この馬がマイルでスローに落とすなら決め手のある馬に差され、ある程度流れるなら距離は持たぬと予想していた。が、予想に反し、このハイペースでの逃げ切り。私が思う以上に強い競馬をしたと思う。あるいは、坂の下りで加速出来る「京都」という舞台設定がぴったりだったのかもしれん。今回後味の悪い結果となったが、馬には関係なし。香港には行かないみたいだが・・・来年の活躍に期待したい。あ、この馬がディープインパクト産駒初のJRA複数GⅠ勝ち馬となったな!また一つ呪いが解けた。

 

2着イスラボニータは絶好の位置取りで最高の騎乗。これで勝てなかったのであればミッキーアイルを褒めるしかあるまい。あと一歩届かない・・・これがこの馬の宿命か。暮れはどうすんのかな?香港行ったらアッサリ勝ったりして。

 

ネオリアリズムはあわやの3着。この馬も相当な不利を受けつつよく頑張った。さすがに、札幌記念経由でいきなりマイルGⅠは・・・と思って買わなかったが、札幌記念でモーリスを完封したのは伊達じゃなかったな。堀厩舎おそるべし。この馬、間隔を開けた方がいいって話だが・・・次はどうすんのかな?

 

4着ダノンシャークは14番人気の低評価ながらの大激走。不利が無ければ2~3着まであったかもしれん・・・と思わせる内容であった。最近の浅次郎の予想は◎より◯の方が信頼出来るわ~という噂がある。

 

5着サトノアラジン。この馬を買ってた人は多かったろう。勝負どころで致命的な不利を受けたが、これが内枠・イン突きのリスクである。インを突くとどうしても前を行く他馬の影響を受けるからね。しかし、川田は初めからインを狙う乗り方だったな。外を回すかと思っていたのだが・・・φ(..)メモメモ。

 

謎の敗戦だったのがヤングマンパワー。まあ、馬は生き物であるからしてこういうこともあるだろうけれども・・・ゲート出てからの行きっぷりも全然いつもと違ったもんなあ。フィエロはイスラボニータの後ろの位置取りで不利のない外回し。今回は力負けであるな。ちょっと衰えがあるのかもしれん。ロードクエストは後方待機からのイン突き。しかし爆発的な末脚は見られなかった。力が足りないのか京都が苦手なのかよく分からんが・・・出来ることなら外を回す所を見たかったなあ。

 

私の◎スノードラゴンは道中スムーズに好位追走。もしやもしや・・・と期待したが、4角では早々に手応えがなくなって終了。ドモナラズ(笑)。

 

我が馬券に一片の悔い無し。

 

さて、

来週はジャパンカップであるな!

ジャパンカップの予想オッズ・外国馬の評価はこちら)

 

懲りずに大穴狙いで逝く。

 

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【浅次郎のひとりごと】

吉田俊副代表、ミッキーアイルは「異色の後継」

ディープインパクトの後継も競争激しいやろなあ。あ、ダノンシャークはラストランだよな。種牡馬入りすんだよね?しかし野田みづき氏は運がいいなあ。