エリザベス女王杯2017回顧。各馬の勝因と敗因と。

【エリザベス女王杯2017レース回顧】京都芝2200mで行われた牝馬中距離女王決定戦エリザベス女王杯。激戦を制したのは3歳モズカッチャン!2着に粘りに粘ったクロコスミア、3着に大外急襲したミッキークイーン。さて、人気だったヴィブロス、ルージュバック、ディアドラの敗因はなんだったのか?ラップタイムを分析しつつ回顧する。

 

女王の座、モズカッチャン射止める!

 

 

いやあ、モズカッチャン強かったねえ。

 

簡単に回顧する。

 

■エリザベス女王杯2017結果、着順

 

■エリザベス女王杯2017映像

 

■エリザベス女王杯2017レース回顧

比較的揃ったスタート。

ちょっと出遅れたのが2番ハッピーユニバンス、6番リスグラシュー、11番ディアドラ。好スタートだったのは4番クロコスミア、5番モズカッチャン、12番スマートレイアー、15番マキシマムドパリ、16番ヴィブロス。

 

1番クインズミラーグロ藤岡康がグイグイと押してハナへ。クロコスミアは馬なりのまま自然と2番手。外からマキシマムドパリ、ヴィブロスも前へ。モズカッチャンは好位のインへ。

 

1コーナーを曲がった所ですでに縦長の隊列。多くのジョッキーは、ヴィブロスをマークしていたと思われるが、このヴィブロスが・・・ね。

 

先頭はクインズミラーグロ。続いてクロコスミア。よく見るとクロコスミアはちょっと掛かってますな。ペース云々じゃなく、多分ハナに行きたかったのだろう。しかし、この後すぐに落ち着く。

 

3馬身ほど離れた3番手にマキシマムドパリ。その後ろに1番人気のヴィブロスがいるわけだが・・・

 

モロに掛かってますな。

 

ルメールは必至にブレーキを掛けて折り合いをつけようとしているんだが・・・口を割って行きたがっている。どこからどこまで掛かっていたのか分からんが、これでは最後の直線で伸びるわけなし。ヴィブロスの敗因はこれに尽きると思う。

 

ヴィブロスの後ろにモズカッチャン、スマートレイアー。

 

中団前目にエテルナミノル、トーセンビクトリー、デンコウアンジュ・・・私の◎はデンコウアンジュであったため、

 

「よしよしよし!いいポジション獲ったでエビショー!」

 

と一人でほくそ笑んでいたのである。

 

結果、くそ笑みだったけど(笑)。

 

中団の後ろにジュールポレール、クイーンズリング。

 

中団後方にミッキークイーン、リスグラシュー、ルージュバック。リスグラシューやルージュバックの敗因を「スロー」「位置取りが後ろ過ぎた」とする向きもあるが、同じような位置にいたミッキークイーンは伸びて来るわけで。違う敗因があるんじゃないかと考えつつ・・・考察を進める。

 

後方にハッピーユニバンス、タッチングスピーチ、それから大きく離れてディアドラ。これはいくら何でも後ろ杉?つか行きっぷり悪いね。3コーナーでは岩田が気合つけてたんだが・・・一向に進んで行かない感じ。最後方はノリポツン・・・ウキヨノカゼ。これはさすがに記念出走だったのかな?

 

さて、ラップタイムを見てみよう。

 

 

1000m通過は62.0。

 

一見すると超スローであるが、

 

アンカツも解説していた通り、

この日の京都芝は結構時計が掛かっており、

超スローではなく普通のスローだったと思うんだが、

 

問題は1000m通過後。

向こう正面~3コーナーのラップが12.8、12.9。

 

つまり、序盤もスロー、中盤もスローという・・・

延々スローだったのである。

 

何故こうなったか?

 

一つ目の理由は、ハナがクロコスミアではなく

クインズミラーグロになったこと。

 

クインズミラーグロはおそらく超スローに落としての逃げ切りを一発狙っており、出来るだけスローに落としたかったのである。そして、2番手のクロコスミアは最初ちょっと掛かったが、すぐにクインズミラーグロの手に乗り、番手で構えたわけだ。仮にクロコスミアがハナなら・・・もっとペースは上がったと思う。

 

そして、後ろからのプレッシャーがあれば、道中もうちょいペースが上がったのかもしれんが・・・その後ろのグループに、皆がマークしているヴィブロスがいるわけだ。

 

このヴィブロスが掛かっていた・・・というのが2番目の理由。

 

つまりヴィブロスは前にプレッシャーを掛けるどころではなく、折り合いをつけるので精一杯。ブレーキ踏みながらのレースなんだからそりゃ好位グループのペースが上がるわけないわな。

 

そういうわけで・・・先行馬にとって楽~~な

延々スローになったのである。

 

さらにさらに京都は3~4コーナーが下り。

こうなると前は止まらないぞ~~~!

 

レースは完全に、残り3Fからの上がり勝負。

 

ヨーイドン!

 

もの凄い手応えで、馬なりのまま先頭に立つクロコスミア。インを突いてじわじわと上がって来たモズカッチャンも抜群の手応え。マキシマムドパリの脚色もいい!

 

うおっ!デンコウアンジュ!ええとこ出した!後は伸びるだけやーーー!っと思ったが、全然伸びず(笑)。このペース、この位置で伸びないのはやっぱり距離かもしれんな。

クインズミラーグロはやはり最初に無理したのが祟ったのか・・・作戦としては面白かったが、ここで脚が上がってしまう。逆に脚が溜まっていたのがクロコスミア。一気に先頭に立ち、粘り込みを図る!

 

残り200m!ヴィブロスも脚を伸ばすが、やはり道中掛かったのが応えたのか伸びがない!むしろマキシマムドパリの脚色がいい!その内からモズカッチャンがミルコの激ムチに応えて伸びてくる。そして・・・大外からミッキークイーン!

 

残り100m!これはもう・・・クロコスミアの粘り込みか?ミッキークイーンの差し切りか?と思った方も多かったろう。しかしここから根性見せたのがモズカッチャン。

 

残り50m!グイグイと伸びてクロコスミアを捉える!外からはミッキークイーンの鬼脚!

 

首差抜け出たところがゴール。2着争いは際どく見えたが、アタマ差でクロコスミアが2着。ミッキークイーンは届かず3着。

 

タイムは2:14.3。

モズカッチャンの上がりは34.1。

 

モズカッチャン、良かったねー!

 

 

右の若者は今年鮫島厩舎に入った新人厩務員で、初めて担当したのがモズカッチャンなんだって。何度もガッツポーツして可愛かったな。しかし、なんで鮫島調教師は浮かない顔してんだ???(笑)

 

 

 

 

【エリザベス女王杯レース後コメント】モズカッチャン M.デムーロ騎手ら

 

勝ったモズカッチャンはハービンジャー産駒。ディアドラに次ぐGⅠ制覇で、ハービンジャーの人気上がりそうだね。ブログ毒者の方はご存知だと思うが、私はフローラSの時も、オークスの時も、秋華賞の時もこの馬に◎を打っており(ローズSの時は人気だったので打てなかった)、現3歳世代で最も好きな馬である。だから、この馬がエリザベス女王杯を勝ったことは素直に嬉しい。

ただ、冷静に見ると、今回のモズカッチャンの勝利は幾分恵まれた分があると思う。まず内目の枠で絶好のポジションが取れたこと。目の前を行く1番人気のヴィブロスが掛かってしまったこと。スローの瞬発力勝負になったこと。幾分時計の掛かる馬場で、外目が伸びにくかったこと。そして最後の直線、目標であるクロコスミアが最後の最後まで頑張ったこと。仮にクロコスミアが早々にバテてしまっていたら・・・勝ったのミッキークイーンだったかもしれない。

まあ、運も競馬の重要な要素。色んなことが起こり得るから競馬は面白いのであり、この日はモズカッチャンが一番強かったねー!って話。これからの成長が楽しみですな。

 

2着クロコスミアの鞍上は和田。オークス2着の時のモズカッチャンの鞍上であり、最後に交わされたのがモズカッチャンだと分かった時にはどういう心境だったのだろうか?ゴールしてすぐに「おめでとう!(和田)」「ごめんなさい(ミルコ)」という会話があったというが・・・

 

 

左手を挙げてミルコを祝福する和田。しかし和田は降ろされても降ろされても違う馬で結果を出すスゴイ男である。特に最後の直線でバテた馬を持たせる技術はピカイチだと思う。多くの日本人は外人ジョッキーが好きだが、私は和田ドラゴンが大好きである。

しかし、府中牝馬でヴィブロスを負かしてるのにも関わらずこの低評価(9番人気)。予想の時にも書いたが、ナメられ過ぎでしょ。この馬強いよ?

 

ミッキークイーンは非常に惜しかったねー。なんか「スローの前残りで展開が向かなかった」的に言われているね。まあそれは確かにあるんだけど、スローの瞬発力勝負はこの馬とて望むところ。それよりも辛かったのは「外の馬場があんまり伸びなかった」点で、この日の京都は「外差し損ね」ってレースが結構多かったのである。まあ、前を行くクロコスミアの上がりが34.3だけんな・・・ちょっと厳しかったね。

 

4着マキシマムドパリに驚くべからずである。全く人気がなかったが、今年重賞を2勝しており、3歳時には秋華賞3着がある実績馬。確かに「展開面」で恵まれた点はあったと思うが、逆に言えば展開が向けばこのくらい走っても何ら不思議なしである。調教も良かったしね(調教爆穴であった)。しかし、鞍上の藤岡佑介は穴馬に乗せると怖いぞ~。

 

5着にヴィブロス。この結果に悲観する向きもあると思うが、私はむしろ良く走ったと思う。あれだけ掛かってしまえばズルズルと後退してもおかしくないのだが、最後まで頑張って5着だもん。やっぱり能力高いよね。しかし、この気性面は今後の課題。ルメールでも行きたがったのであれば、馬の方に問題があったのではなかろうか?距離云々って話もあるが、折り合いさえ付けば2200は全然余裕だろう。次は香港?それとも休んでドバイ?

 

スマートレイアーはポジション取りも良かったし、最後良く伸びてるけどね。京都大賞典の時のような切れ味は出せなかったね。武豊が乗っていたら変わってたのだろうか・・・?クイーンズリングはインを突いて伸びて来たが・・・これもジワジワとしか伸びず7着が精一杯。

リスグラシューはポジションが取れずに後方から。4コーナーはインを回して直線に賭けたが・・・この展開であの位置取りじゃ届かんわな。ただ、ミッキークイーンと同じ上がり最速33.7を計時しており、タイム差も僅か。そこまで悲観する内容ではない。ルージュバックはなんだろうね・・・位置取り的にはミッキークイーンと同じような位置取りで。最後伸びてはいるんだけど勝負とは関係のない9着。流れが向かなかったの一言で済ませたらいかんような気がするな。しかしムーア過剰人気過ぎ。

 

こりゃ来週も美味しいかも?

 

秋華賞馬ディアドラは見せ場なしの12着。一応直線は上がり2位の33.8を掲示しているのだが、勝負とは全く関係ないところでのもの。道中は「走る気」が感じられないような行きっぷりであった。その原因は・・・

 

わからん。

 

馬は生き物である。機械ではない。

 

だから・・・

走りたくない時だってある!

当日体調が悪い時だってある!

 

そういうことだと思う。

 

実は、

 

今日、

 

腹の調子が悪く、

 

朝からずっと下痢っ腹で。

 

 

水のような下痢がシャー!と、

30分おきくらいの間隔で噴射されるのである。

 

昨日までは何ともなかったのにね。

 

例えが下品ですまないが(ほんとだよ!)、

 

馬にだって

そういうことがあるんじゃないか・・・?

 

そうじゃないかもしれんが、

 

そう考えることが出来れば、

 

「走らせすぎやん!目に見えない疲れがあったんだろ!」

「岩田ナニやってんだボケー!さるー!」

 

と言って、

厩舎やジョッキーを責めることもないと思うのである。

 

体調管理ミスは厩舎の責任、

騎乗ミスはジョッキーの責任。

 

それはもちろんそうであるが、

どうにもならずに走らん時だって普通にあると思うのだ。

 

競馬は、

 

全ての結果を

受け入れることが出来るようになって初めて、

 

一人前。

 

 

よく、掲示板などで、

特定のジョッキーや陣営を誹謗中傷する輩はとても多いが・・・

そういう輩は半人前でもなく、餃子一個分である。

 

誹謗や中傷は憎しみを呼ぶだけ。

 

自分は乗馬すら出来ないのに

騎手の騎乗を批判する輩とかはその極みである。

(明らかなヘグリ騎乗は別だけどな)

 

なんもかんもで競馬。

 

全てを受け入れてしまえば、

競馬の見方が変わってくるぞー。

 

さて、来週はマイルCS!

 

楽しんでいこうぜ!

 

あ、個人的な馬券は・・・

◎デンコウアンジュ
◯モズカッチャン
▲クロコスミア

で。

今回・・・邪道2頭流!を採用したため、

馬連が当たり。

瞬間的に「万馬券だろこれ!」と思ったけど、

あんまりついてなかったね。

ま、デンコウアンジュはいつかまた大穴開けると思う。

それまで買い続けるのみじゃい!

 

高畑充希ちゃん可愛いわ~。CMのキャラはバカっぽいけど。

 

 

「牝ってなに?」

 

言わされる充希ちゃんが可哀想だよ~~~。

 

これ作ってるのどこの代理店だよ~~~。

 

誰かなんとか言ってやれよ~~~。